古文の勉強法完全ガイド|受験で差がつく読解力と文法の身につけ方
Last Updated on 2026年2月24日 by スマート学習ナビ
「古文って何から始めればいいかわからない」「単語を覚えても文章が読めない」という悩みを持つ受験生はとても多いです。古文は正しい順番で対策すれば、思っているよりずっと得点しやすい科目です。この記事では、共通テストから国公立・私立難関大学まで対応できる古文勉強法を、教育アドバイザーの立場から丁寧に解説します。ぜひ最後まで読んで、自分に合ったやり方を見つけてください。
古文の勉強を始める前に知っておくべき基本的な考え方
古文の勉強を始める前に、まず「古文とはどんな科目か」を正しく理解することが大切です。古文は暗記だけでも、センスだけでも乗り越えられません。単語・文法・読解の3つをバランスよく積み上げることで初めて得点につながります。土台となる考え方を整理してから勉強をスタートしましょう。
古文が「なぜ難しく感じるのか」を理解する
多くの受験生が古文を難しいと感じる理由は、主に2つあります。1つ目は現代語と形が似ているのに意味が全く違う単語(古語)が多いことです。たとえば「あはれ」は現代語では「哀れ」とネガティブに使われますが、古語では「しみじみとした感動・趣」を意味します。知らないと読み違えてしまいます。
2つ目は文法の体系が現代語と大きく異なることです。動詞の活用、助動詞の接続・意味など、学校で習う現代語文法とは別のルールが存在します。このルールを理解せずに文章だけ読もうとするから、「意味がつかめない」という状態になるのです。
逆に言えば、単語と文法の基礎をしっかり固めれば、読解力は短期間で一気に伸びます。まず「なぜ読めないのか」の原因を明確にしてから勉強に取り組むことが、効率アップの第一歩です。
共通テストと記述試験で求められることの違い
受験古文の対策は、受ける試験の形式によって力を入れるべきポイントが変わります。共通テストでは選択肢から正解を選ぶ形式なので、「文章の大意をつかむ力」と「細かい文法・単語知識」の両方がバランスよく問われます。
一方、東京大学・京都大学・早稲田大学などの記述式試験では、現代語訳や内容説明を自分の言葉で書く力が求められます。助動詞の意味を正確に理解しているかどうかがそのまま点数に直結するため、より精密な文法力が必要です。
自分がどちらの試験を受けるかを意識しながら、勉強の優先順位を決めることが無駄な勉強を省くポイントになります。まずは志望校の過去問を1〜2年分確認し、どんな形式の問題が出るかを把握しておきましょう。
古文の勉強スケジュールの全体像
古文の受験対策は大きく3つのフェーズに分けると整理しやすくなります。
- フェーズ1(インプット期):単語帳・文法書を使って基礎知識を頭に入れる(高1〜高2、または受験勉強開始から2〜3ヶ月)
- フェーズ2(演習期):短文読解や問題集で知識を使いこなす練習をする(高3前半)
- フェーズ3(過去問演習期):志望校の過去問を解き、弱点を潰していく(高3夏以降)
このように段階を踏むことで、知識が定着しやすくなります。「単語だけやり続ける」「いきなり問題集を解く」といった偏った勉強を避け、3つのフェーズをバランスよく進めることが合格への最短ルートです。
古文単語の効果的な覚え方と おすすめ単語帳
古文単語は、現代語と意味が違うものが多く、ただ暗記するだけでは長続きしません。単語の意味を文脈の中でとらえ、イメージと結びつけて覚えることが定着のカギです。ここでは具体的な単語帳の選び方から暗記法まで解説します。
古文単語はどれくらい覚えれば良いか
「古文単語は何語覚えればいいの?」という質問はとても多いです。目安としては、共通テストレベルなら300語程度、難関私立・国公立を目指すなら400〜600語程度が一般的とされています。ただし、量よりも質が重要です。
覚えるべきなのは「試験に出やすい単語」です。いきなりマイナーな単語を覚えるより、まず頻出300語を完璧に仕上げることを目標にしましょう。1語に対して複数の意味があるものは、文脈によって意味が変わるので、例文ごとイメージとして覚えるのが効果的です。
おすすめの古文単語帳3選
市販されている単語帳の中から、受験生に特に人気のある3冊を紹介します。
| 単語帳名 | 収録語数 | 特徴・おすすめ対象 |
|---|---|---|
| 『読んで見て覚える重要古文単語315』(桐原書店) | 315語 | イラストとゴロが豊富。共通テスト対策に最適。初学者向け |
| 『マドンナ古文単語230』(学研) | 230語 | 薄くて取り組みやすい。最頻出語に絞られているのでコスパ良し |
| 『古文単語ゴロゴ』(スタディカンパニー) | 約565語 | 語呂合わせで覚えるユニーク系。難関大志望者にも対応 |
単語帳は一冊を繰り返し使うことが大切です。「なんとなく覚えた」状態では本番で使えません。1冊を完璧にマスターしてから次のステップに進むという意識を持ちましょう。何冊も買い込んで中途半端になるパターンは避けてください。
単語を効率よく定着させる暗記法
単語を覚えるとき、単純な反復だけでは飽きて続かないことが多いです。効果的な方法を以下に紹介します。
- 例文ごと覚える:単語単体ではなく、短い例文の中で単語の意味をつかむと文脈理解力も上がる
- 音読を活用する:声に出して読むと視覚・聴覚・発声の3つの感覚が同時に働き、記憶に残りやすい
- 忘れた頃に復習する:エビングハウスの忘却曲線に基づき、1日後・3日後・1週間後に同じ単語を確認する
音読は特に効果的で、電車の中でも小声で実践できます。毎日10〜15分だけ単語に向き合う習慣を作ることが、何より大切です。まとめて何時間も単語帳と格闘するより、短時間の反復を続けるほうが圧倒的に定着率が高まります。
古文文法をしっかり身につけるための学習ステップ
古文の読解力を上げるためには、文法の理解が絶対に欠かせません。特に助動詞の理解は、文章の意味をつかむ上での核心的な部分です。「文法は難しい」と感じている人も、正しい順番で学べば着実に理解できます。
まず動詞の活用から理解する
古文文法の出発点は動詞の活用です。動詞には四段活用・上一段活用・下二段活用など複数の種類があり、それぞれ語尾の変化パターンが異なります。まずこの活用のパターンを口で言えるくらいまで覚えることが基本です。
活用形には「未然形・連用形・終止形・連体形・已然形・命令形」の6種類があります。この6つの名前と役割を覚えることが、助動詞・助詞の学習につながる土台になります。活用表を毎日口に出して覚えるのが最もシンプルで確実な方法です。
覚えた後は、短い文の中で「この動詞はどの活用形か」を考える練習をすることで、知識が実践力に変わっていきます。
助動詞は接続・意味・活用の3点セットで覚える
助動詞は古文読解で最も重要なポイントです。助動詞の意味を間違えると、文章全体の解釈がひっくり返ることがあります。たとえば「む」は「推量」を表す場合と「意志」を表す場合があり、文脈によって読み分ける必要があります。
助動詞を覚えるときは、次の3点を必ずセットで覚えましょう。
- 接続:その助動詞が前のどの活用形に付くか(未然形に付く・連用形に付く、など)
- 意味:どんな意味を持つか(推量・過去・完了・受身・使役など)
- 活用:それ自身がどのように活用するか
助動詞の接続を覚えるには、有名な暗記歌(「む・むず・らむ〜」のリズムなど)を活用するのも効果的です。『望月光の古文教室』(旺文社)や『ステップアップノート30 古典文法基礎ドリル』(河合出版)などの教材を使うと体系的に学べます。
敬語は人物関係の把握に直結する
古文における敬語(尊敬語・謙譲語・丁寧語)は、単なる丁寧表現ではなく「誰から誰への動作か」を判断するための手がかりになります。特に複数の登場人物が出てくる物語文では、敬語を正しく読めないと主語が誰なのか判断できなくなります。
まず尊敬語(動作をする人が偉い場合)と謙譲語(動作を受ける人が偉い場合)の違いを押さえましょう。「給ふ(たまふ)」「申す」「侍り(はべり)」などの頻出敬語動詞を例文付きで覚えることで、実際の文章でも使いこなせるようになります。敬語の習得は『源氏物語』などの物語文読解に特に大きく役立ちます。
古文読解力を上げるための実践的なトレーニング法
単語と文法を学んだら、いよいよ文章を読む練習に入ります。読解力は「知識を使う経験」を積むことでしか伸びません。ただ問題を解くだけでなく、正しい復習方法を守ることが重要です。
主語を意識しながら読む習慣をつける
古文の文章では、主語が省略されることがよくあります。「誰がその動作をしているのか」を常に意識しながら読む習慣を持つことが、読解力を上げる最重要ポイントです。主語の判断には敬語・文脈・登場人物の関係の3つが手がかりになります。
練習法としては、文章を読むたびに「(誰が)〜した」という形に変換しながら進む方法が有効です。初めは時間がかかっても構いません。何度も続けることで、主語の流れを自然に追えるようになります。問題集を解くときも、単に答え合わせをするだけでなく「なぜその主語になるのか」を言語化する習慣をつけましょう。
現代語訳を書いてから答え合わせする
古文の問題を解くときに最も力がつく方法が、自分で現代語訳を書いてから模範解答と比較する練習です。この方法は特に記述式の試験対策として効果的ですが、共通テスト対策にも有効です。
現代語訳の練習では「助動詞の意味を正確に反映できているか」「主語を正しく補えているか」の2点を特に意識してください。最初はうまく訳せなくても大丈夫です。解説を読んで「なぜこの訳になるのか」を理解することが、次の問題に活きる学びになります。Z会の古文問題集や河合塾の「得点奪取古文」などは解説が丁寧でおすすめです。
同じ題材を繰り返し読んで慣れる
新しい文章を次々と解くよりも、一度解いた文章を3〜5回繰り返し読む方が読解力は伸びます。繰り返し読むことで、単語・文法・文脈の流れが自然に身体に入っていくからです。
特に、平家物語・源氏物語・枕草子・徒然草・竹取物語など、入試によく出る題材は集中的に読み込んでおくと有利です。これらの作品はテーマや登場人物がある程度共通しているため、一度読んでおくと初見の問題でも文脈を把握しやすくなります。
参考書・問題集の選び方と使い方
古文の参考書・問題集は書店に行くと多くの種類があり、どれを選べばいいか迷いがちです。大切なのは「自分のレベルに合ったものを1冊ずつ確実に仕上げる」こと。ここでは学習段階別のおすすめ教材を紹介します。
初心者〜基礎固めのおすすめ教材
古文が初めて、または苦手という受験生には、読みやすく解説が丁寧な入門書からスタートすることをおすすめします。
| 教材名 | レベル | 特徴 |
|---|---|---|
| 『富井の古文読解をはじめから丁寧に』(東進) | 入門〜基礎 | 読解の考え方を丁寧に解説。古文が苦手な人に最適 |
| 『ステップアップノート30 古典文法基礎ドリル』(河合出版) | 基礎 | 文法を体系的に練習できるドリル形式。反復に向いている |
| 『古文上達 基礎編』(Z会) | 基礎〜標準 | 読解・文法・単語を並行して学べる総合教材 |
これらの教材は、1冊を終えることで「古文の読み方の流れ」がつかめるよう設計されています。焦らず丁寧に進めることが大切です。解説を読んで「わかった気になる」のではなく、手を動かして練習問題を解くことで本当の理解につながります。
標準〜応用レベルのおすすめ問題集
基礎が固まったら、実際に文章を読んで問題を解く練習が中心になります。標準〜応用レベルで特に評価が高い問題集を紹介します。
- 『得点奪取古文 記述対策』(河合塾):記述式の解き方を丁寧に解説。東大・京大など記述重視の大学を受ける人に
- 『センター試験過去問研究 国語』(教学社):共通テスト形式に近い問題の演習に。量もこなせる
- 『古文解釈の方法』(駿台文庫):読解の深い部分まで解説。難関大学志望者向け
問題集は「解きっぱなし」にすることが最大のNGです。解いた後の復習に時間の半分以上をかけるくらいの意識が正しいバランスです。間違えた問題は翌日もう一度解き直し、完全に理解するまで繰り返しましょう。
塾・予備校の活用法
独学で進める自信がない場合は、塾や予備校のサポートを活用するのも一つの方法です。古文指導に定評のある塾・予備校としては、東進ハイスクール・河合塾・駿台予備校・Z会などがあります。
東進では「富井健二先生の古文読解・古文文法」の映像授業が特に人気で、初心者でもわかりやすいと評判です。河合塾・駿台では少人数クラスで丁寧に添削してもらえる環境が整っています。映像授業は自分のペースで繰り返し視聴できる点が大きなメリットです。通塾が難しい場合は、映像授業をうまく活用しましょう。
入試本番で得点するための古文の解き方とコツ
知識を身につけた後は、試験本番でどう戦うかという「解き方のコツ」も重要です。いくら知識があっても時間配分を間違えたり、読み方の順番を誤ると得点につながりません。本番を意識した実践的なアプローチを紹介します。
問題を解く前に注・リード文を必ず読む
入試の古文問題には、文章の前に注釈やリード文(導入説明)が付いていることが多いです。これを読み飛ばす受験生が意外と多いのですが、注・リード文には「登場人物の関係」「時代背景」「場面の状況」など、文章を読む上で非常に重要なヒントが含まれています。
特に複数の人物が登場する物語では、リード文に書かれた人物関係を頭に入れてから本文を読み始めるだけで、主語の判断がぐっと楽になります。注・リード文は文章を読む前の「事前準備」として必ず目を通す習慣をつけましょう。本番では2〜3分をこの準備に使う価値があります。
設問を先に確認してから本文を読む
古文に限らず国語全般に言えることですが、設問(問題)を先に確認してから本文を読むと効率が上がります。「どんなことを問われているのか」を事前に把握しておくと、本文を読みながら答えに直結する部分に意識が向きやすくなります。
特に「第○段落の内容として正しいものを選べ」という問題は、先に選択肢を読んでおくと読解の地図が手に入ります。設問確認→注・リード文確認→本文読解→解答という流れを本番前に体に染み込ませておきましょう。模試や過去問演習の中で意識的に練習してください。
共通テスト古文の時間配分の目安
共通テストの国語は80分で現代文・古文・漢文をすべて解く必要があります。古文に使える時間は20〜25分が目安です。
| 作業 | 目安時間 |
|---|---|
| 注・リード文・設問確認 | 2〜3分 |
| 本文読解 | 8〜10分 |
| 各設問への解答 | 8〜10分 |
時間配分はあくまで目安です。大切なのは本番前に模試や過去問で自分の解答ペースを把握しておくこと。「古文に時間がかかりすぎて現代文が解けなかった」という事態を避けるため、時間を計りながら問題を解く練習を繰り返しましょう。
古文が苦手な受験生に向けた短期間での挽回策
「もう受験まで時間がない」「古文だけ極端に遅れている」という状況でも、正しい戦略を取れば短期間でも一定の得点力を上げることはできます。ここでは特に時間が限られている受験生向けのアプローチを紹介します。
短期間で最低限おさえるべきポイント
時間がない場合は、出題頻度の高い範囲に絞って集中学習するのが鉄則です。以下の3点だけに絞って徹底的に仕上げることをおすすめします。
- 頻出古文単語300語の暗記:マドンナ古文単語230やゴロゴで最頻出単語だけに絞る
- 主要助動詞20〜25個の意味と接続の暗記:す・き・けり・む・なり・べし・ず など最頻出に絞る
- 過去問2〜3年分の精読:解いて復習するサイクルを3回以上繰り返す
このリストに書いてある3点は、古文の得点を支える最低限の土台です。これ以外の細かい文法や難解な単語は、時間の余裕ができてから手をつければ十分です。「何をやらないか」を決めることが短期間での成長につながります。
音読と多読で感覚をつかむ
短期集中で古文の感覚を養う方法として、すでに訳文がついている古文を音読するやり方があります。現代語訳を見ながら古文を声に出して読むことで、「こういう表現がこういう意味になるのか」という感覚が自然に身についていきます。
おすすめは、角川ソフィア文庫の「ビギナーズ・クラシックス」シリーズ(源氏物語・枕草子・徒然草など)です。原文・現代語訳・解説がセットになっており、初学者でも読み進めやすいのが特徴です。受験直前期でも毎日10〜15分の音読を続けることで、読解スピードと語感が上がっていきます。
模試を活用して弱点を見える化する
短期間で効率よく伸ばすためには、今自分に何が足りないかを正確に把握することが欠かせません。そのための最も有効なツールが「模試」です。河合塾や駿台の記述模試・マーク模試を受け、古文の設問ごとに何点取れているかを細かく確認しましょう。
「単語問題は取れているが読解問題が弱い」なら文法と読解の練習を、「文法問題が取れない」なら助動詞の暗記を優先するという具合に、模試の結果を次の勉強計画に反映させるサイクルを作ることが短期間で伸びる受験生の共通点です。感覚ではなくデータで弱点を把握することを意識してください。
