私立大学の併願はどうやる?成功するやり方と注意点を徹底解説

私立大学の受験を考えているけれど、「何校受ければいいの?」「どうやって日程を組めばいいの?」と迷っている高校生は多いと思います。

併願とは、複数の大学や学部を同時期に受験することです。国公立大学と違い、私立大学は同じ時期に複数校を受験できるため、うまく活用すれば合格のチャンスを大きく広げることができます。

この記事では、私立大学の併願のやり方を、出願の流れから学校選び、費用管理まで、順を追ってわかりやすく解説します。受験準備を始めたばかりの方も、ぜひ最後まで読んでみてください。


私立大学の併願ってどういうこと?

まずは「併願」という言葉の意味と、私立大学ならではの受験の特徴をおさえておきましょう。ここを理解しておくだけで、受験計画がぐっと立てやすくなります。

併願の基本的な意味

併願とは、複数の大学・学部を同時に受験することです。私立大学の場合、入試日程が各大学で独自に設定されているため、同じ1月〜2月の間に3校・5校・それ以上を受けることが可能です。

国公立大学は前期・後期の2回しか受けられませんが、私立大学にはそのような制限がありません。そのため、受験生の多くが複数の私立大学を受ける「併願受験」を選びます。

たとえば、第一志望が早稲田大学・第二志望が明治大学・安全校として日本大学を受けるといった組み合わせが、よくある併願の例です。このように「チャレンジ校・実力相応校・安全校」の3段階で考えるのが基本的な考え方です。

国公立との違いを知っておこう

国公立大学は、共通テストの結果をもとに各大学が個別試験(二次試験)を行います。前期日程と後期日程の2回しか受験機会がないため、失敗したときのリスクが大きくなります。

一方、私立大学は共通テストを使わない独自入試(一般選抜)が多く、各大学が独自の問題を出します。同じ大学でも学部ごとに日程が異なる場合があり、同じ大学を複数の学部で受けることもできます。

また、私立大学には共通テスト利用入試という制度もあり、共通テストの点数だけで合否が決まるケースもあります。この制度をうまく活用すれば、試験会場に行かずに合格を狙うこともできるため、日程の調整がしやすくなります

何校受けるのが一般的?

受験する大学の数に決まりはありませんが、一般的な目安として5校〜10校程度を受験する高校生が多いです。多すぎると体力的・経済的な負担が増し、少なすぎると合格のチャンスが狭まります。

受験校数の目安として次のような考え方があります。

  • チャレンジ校:1〜2校(第一志望よりやや上のレベル)
  • 実力相応校:2〜3校(現在の実力と同等のレベル)
  • 安全校:2〜3校(合格をほぼ確実にできるレベル)

この3段階のバランスを保つことで、どこかの大学には合格できる可能性が高まります。安全校ばかり受けても意味がなく、チャレンジ校ばかりでは全落ちのリスクがあるため、バランスが大切です。


併願校の選び方|どの大学を選べばいい?

併願校選びは、受験全体の結果を左右するとても重要なステップです。偏差値だけで選ぶのではなく、いくつかの視点から総合的に判断することが大切です。

偏差値の幅を広げて選ぶ

併願校を選ぶ際は、偏差値の幅を5〜10程度広げて考えることをおすすめします。たとえば、目標の大学が偏差値60の場合、55〜65の範囲で候補を探すと選択肢が広がります。

参考として、以下のような大学群をおさえておくと便利です。

グループ名代表的な大学偏差値の目安
早慶上理早稲田大学・慶應義塾大学・上智大学・東京理科大学65〜70以上
MARCH明治・青山学院・立教・中央・法政58〜65
日東駒専日本・東洋・駒澤・専修50〜57
大東亜帝国大東文化・東海・亜細亜・帝京・国士舘40〜50

※偏差値はあくまで目安です。学部・学科によって大きく異なる場合があります。最新の情報はパスナビや東進偏差値一覧などで確認してください。

学部・学科の内容で絞り込む

大学名だけで選ぶのではなく、学びたい内容と学部・学科がマッチしているかを必ず確認しましょう。たとえば、心理学を学びたい場合、明治大学文学部・法政大学文学部・駒澤大学心理学部など、複数の大学に同系統の学部があります。

同じ「心理学」でも、大学によって臨床心理寄り・社会心理寄りなど方向性が異なることがあります。オープンキャンパスや大学のウェブサイト、在学生の声なども参考にして、本当に学びたい環境かどうかを確認してみましょう。

通学のしやすさも考える

合格しても通うのが難しい大学では意味がありません。自宅からの通学時間や交通手段も、併願校選びの大切な要素です。一般的に、片道1時間30分以内が通学の現実的な目安とされています。

一人暮らしを検討している場合は、大学周辺の家賃相場や生活費も調べておくと、入学後に後悔しにくくなります。首都圏・関西圏など都市部の大学はアクセスが良い反面、生活費が高くなる傾向があるため、家族とも話し合って決めましょう。


出願スケジュールの組み方

私立大学の一般入試は、多くの場合1月下旬〜2月に集中しています。複数校を受けるためには、日程が重ならないよう計画的にスケジュールを組むことが欠かせません。

入試日程の確認は早めに

各大学の入試日程は、大学の公式ウェブサイトや入試要項に掲載されています。10月〜11月ごろには多くの大学が翌年の日程を公開するため、この時期に一覧表を作っておくと管理しやすくなります。

日程確認に役立つサービスとして、以下のものがよく使われています。

  • パスナビ(旺文社):各大学の入試情報を一括検索できる
  • マナビジョン(ベネッセ):偏差値や入試日程が見やすく整理されている
  • 受験サプリ(リクルート):動画授業と合わせて受験情報も確認可能

これらのサービスを活用することで、複数の大学の情報を一度にまとめて確認することができます。学校の進路指導室にも過去の入試要項が置いてあることが多いため、担任の先生に相談してみるのもおすすめです。

試験が重なったときの対処法

どうしても入試日程が重なってしまうことがあります。その場合は、志望順位の高い大学を優先するのが基本です。同じ大学でも学部ごとに日程が異なる場合があるため、日程違いで同じ大学の別学部を受けるという方法もあります。

また、共通テスト利用入試を活用すれば、試験会場に行かなくても合否が決まるため、日程の重複を回避しやすくなります。特に安全校については、共通テスト利用で合格を確保しておき、実力相応校やチャレンジ校の試験に集中するという戦略も有効です。

出願締め切りを絶対に守る

出願には締め切り日があり、1日でも過ぎると出願できなくなります。インターネット出願が主流になっている現在でも、書類の郵送が必要な場合は消印有効日に注意が必要です。

締め切り管理のコツとして、カレンダーアプリや手帳に「出願開始日」「書類送付期限」「入試当日」をすべて書き込んでおくことをおすすめします。受験校が多くなると管理が複雑になるため、早めに一覧表を作っておくと安心です。


入試方式の種類と上手な使い方

私立大学の入試にはいくつかの方式があります。それぞれの特徴を理解して、自分に合った方式を組み合わせることで、合格のチャンスをさらに広げることができます。

一般選抜(独自入試)の特徴

一般選抜は、各大学が独自に作成した問題を解いて合否が決まる、最もスタンダードな入試方式です。学部ごとに日程・科目が異なるため、同じ大学でも複数回受験できることがあります。

たとえば明治大学では、学部別入試のほかに全学部統一入試もあり、1回の試験で複数学部に出願できる仕組みがあります。このような全学部統一型の入試を設けている大学は多く、受験の効率を上げるのに役立ちます。

共通テスト利用入試の活用法

共通テスト利用入試は、大学入学共通テストの点数だけで合否が決まる方式です。出願するだけで済むため、試験を別途受ける必要がなく、日程の負担を大きく減らすことができます。

ただし、共通テスト利用は一般選抜より合格ラインが高くなる傾向があります。「安全校の確保」や「遠方の大学を受けたいが試験会場まで行けない」といったケースに特に有効な方式です。出願料がかかる点を忘れずに確認しましょう。

総合型・学校推薦型との組み合わせ

総合型選抜(旧AO入試)や学校推薦型選抜は、秋〜冬にかけて行われることが多く、一般選抜より早い時期に結果が出ます。早期に合格を確保できれば、一般選抜の勉強に集中できるというメリットがあります。

ただし、推薦入試には「専願(他大学を受けない)」が条件になるものも多いため、注意が必要です。一般選抜と組み合わせる場合は、「公募制推薦」や「自己推薦」など、他大学への出願が認められている方式を選びましょう。


受験料と費用の管理方法

私立大学の受験費用は意外とかさみます。計画的に管理しないと、後半になって資金が足りなくなることも。受験前に費用の全体像を把握しておくことが大切です。

受験料の目安を知っておく

私立大学の受験料は、1回の試験につきおよそ3万5千円〜3万5千円前後が相場です。学部や方式によって多少異なりますが、10校受けると受験料だけで30万円以上になることも珍しくありません。

具体的な例として、早稲田大学の一般選抜は35,000円、明治大学は35,000円、日本大学は30,000円程度です(年度によって変わるため、必ず公式サイトで最新情報を確認してください)。

交通費・宿泊費も忘れずに

遠方の大学を受ける場合、交通費や前泊の宿泊費も必要になります。試験当日に遠距離移動するのは体力的に不安なため、前日に現地入りするケースも多く、ホテル代がかさみます。

費用を抑えるためのポイントとして、以下のことを意識してみてください。

  • 宿泊が必要な遠方校は優先度を考えて絞り込む
  • 交通費はJR学割(学校から証明書をもらう)を活用する
  • 宿泊先は受験シーズンに混み合うため早めに予約する

特に首都圏以外から関東・関西の大学を受験する場合、移動と宿泊で1校あたり2〜4万円程度かかることもあります。家族と早めに予算を話し合っておきましょう。

費用を抑える方法

受験費用を抑えるには、共通テスト利用入試を安全校の確保に使う方法が有効です。試験会場に行かなくていいため、交通費・宿泊費の節約になります。また、同じ大学で複数学部に出願すると、2学部目以降の受験料が割引になる大学もあります(例:立教大学、中央大学など)。

さらに、複数の大学が協定を結び受験料が割引になる「グループ入試」や、一度の試験で複数校を受けられる「センター利用」の仕組みも活用してみましょう。


合格後の入学手続きと入学金の注意点

無事に合格通知が届いたあとにも、注意すべき手続きがあります。特に入学金の納付期限は見落としやすいポイントなので、しっかり確認しておきましょう。

入学金の納付期限を必ず確認

私立大学に合格すると、入学する意思を示すために入学金を期限内に納付する必要があります。この期限を過ぎると、合格が取り消しになる場合があります。

入学金の金額は大学によって異なりますが、20万〜30万円程度が一般的です。問題になるのは、まだ他の大学の合否が出ていないのに入学金を払わなければならないケースです。「第一志望の結果が出る前に、安全校の入学金を払うかどうか」を家族と事前に話し合っておくことが重要です。

入学手続きの2段階に注意

多くの私立大学では、入学手続きが「第1次手続き(入学金の納付)」と「第2次手続き(授業料などの納付)」の2段階になっています。第1次手続きだけで合格を仮押さえして、第2次手続きまでに最終的な進学先を決める方法がよく使われています。

ただし、第2次手続きも期限が決まっているため、うっかり忘れると入学資格を失う可能性があります。合格した大学ごとに手続き日程を一覧にまとめておくことを強くおすすめします。

入学金は原則として返金されない

一度納付した入学金は、基本的に返金されません。第一志望に合格して安全校の入学を辞退しても、すでに払った入学金は戻ってきません。これは多くの受験生が経験する「二重払い」の問題です。

この出費をあらかじめ見込んで家族と費用の上限を話し合っておくことが、受験計画の重要な一部です。場合によっては、入学金の支払いが1校分で済むように、第一志望の結果発表後に安全校の手続き期限が来るよう日程を調整することも可能なケースがあります。


併願を成功させるための準備と心構え

受験は準備と情報収集がカギです。直前になって焦らないために、早めに動き出しておきましょう。ここでは、実際に役立つ準備のポイントをまとめます。

塾・予備校を上手に使う

私立大学の受験対策には、各大学の出題傾向を知っている塾・予備校の活用が効果的です。たとえば、河合塾・駿台予備校・東進ハイスクールなどは、MARCHや早慶の過去問分析を年度ごとに行い、対策授業を提供しています。

また、映像授業サービスのスタディサプリ(月額2,178円〜)は、コストを抑えながら苦手科目を補強するのに向いています。通塾が難しい地方在住の受験生にも使いやすいサービスです。学校の授業だけでは不安な人は、こうしたサービスの活用を検討してみてください。

過去問は第一志望だけでなく併願校分も用意する

過去問対策は第一志望だけでなく、すべての受験校分を用意することが理想です。各大学の問題形式・出題傾向は大きく異なるため、慣れておくだけで本番の得点が変わります。

過去問は各大学の公式サイトや、赤本(教学社)・青本(駿台)シリーズで入手できます。最低でも3年分、できれば5年分を繰り返し解くことが合格への近道です。

体調管理と受験当日の動き方

受験が続く時期は、体調管理が合否に直結するといっても過言ではありません。睡眠時間の確保・手洗いうがいの徹底・栄養バランスの取れた食事を意識してください。インフルエンザや風邪をもらわないよう、人混みではマスクを着用する習慣も大切です。

受験当日は、試験開始の1時間前には会場付近に到着できるよう余裕を持ったスケジュールで動きましょう。交通機関の遅延に備えて、前日に交通ルートと所要時間を確認しておくことも忘れずに。


まとめ|私立大学の併願を成功させるために

私立大学の併願は、うまく活用することで合格のチャンスを大きく広げられます。この記事でお伝えしてきたポイントを振り返ってみましょう。

  • 併願はチャレンジ校・実力相応校・安全校の3段階で考える
  • 偏差値だけでなく、学部内容や通学のしやすさも考慮して選ぶ
  • 出願スケジュールは早めに一覧表にまとめておく
  • 共通テスト利用入試を活用して日程と費用を調整する
  • 入学金の納付期限と2段階手続きは必ず家族と確認する

受験は情報量と準備の差が結果に出ます。学校の先生や塾の担当者にも相談しながら、自分に合った併願プランを早めに立てておくことが大切です。

まだ受験まで時間がある人は、今日から少しずつ大学や学部の情報を集め始めてみてください。動き出すのが早ければ早いほど、選択肢が広がります。

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