【中高生必見】ing形のルールを完全解説!動詞の変化パターンと覚え方のコツ
ing形とは何か?基本的な概念と役割
英語のing形は、動詞に「-ing」を付けることで作られる形で、現在分詞や動名詞として様々な場面で使われます。受験英語において極めて重要な文法事項の一つであり、長文読解や英作文で頻繁に出題されるため、しっかりとしたルール理解が必要です。
ing形の基本的な作り方には一定のパターンがあり、これらのルールを覚えることで確実に正しい形を作ることができるようになります。
ing形の基本的な作り方
一般動詞のing形は、動詞の原形に「-ing」を付けることで作られます。ただし、動詞の語尾によって変化のルールが異なるため、パターンごとに覚える必要があります。
最も基本的なパターンは、語尾が子音で終わる動詞です。例えば「work」は「working」、「study」は「studying」となります。これらの動詞は語尾にそのまま「-ing」を付けるだけで完成します。
また、語尾が「-y」で終わる動詞も同様に、そのまま「-ing」を付けます。「study → studying」「carry → carrying」「try → trying」などがその例です。yの前が子音であっても母音であっても、変化せずにそのまま「-ing」を付けることを覚えておきましょう。
語尾が「-w」「-x」「-z」で終わる動詞も、基本的にはそのまま「-ing」を付けます。「show → showing」「fix → fixing」「buzz → buzzing」などです。これらの動詞は例外的な変化をしないため、比較的覚えやすいパターンといえます。
語尾がeで終わる動詞のルール
語尾が無音のeで終わる動詞は、eを取り除いてから「-ing」を付けます。このルールは非常に重要で、多くの受験生が間違えやすいポイントでもあります。
「make → making」「take → taking」「write → writing」「come → coming」など、日常的によく使われる動詞の多くがこのパターンに該当します。eを残したまま「-ing」を付けてしまうと、「makeing」のような間違った形になってしまうため注意が必要です。
ただし、語尾のeが発音される場合は例外となります。「see → seeing」「agree → agreeing」のように、eが発音される動詞はeを残したまま「-ing」を付けます。また、「dye → dyeing」「eye → eyeing」のように、eを取ると意味が変わってしまう場合も同様です。
無音のeかどうかの判断は、その動詞を実際に発音してみることで確認できます。「make」の場合、最後のeは発音されないため無音のeとなり、取り除く必要があります。一方、「see」の場合は最後のeまで発音されるため、そのまま残します。
子音字+母音字+子音字で終わる動詞のルール
子音字+母音字+子音字で終わる動詞は、語尾の子音字を重ねてから「-ing」を付けます。このルールは「CVC(子音-母音-子音)ルール」とも呼ばれ、英語の重要な音韻規則の一つです。
代表的な例として、「run → running」「stop → stopping」「begin → beginning」「swim → swimming」などがあります。これらの動詞では、語尾の子音字(n、p、n、m)を重ねることで、母音の発音を短く保つという音韻的な理由があります。
ただし、このルールにはいくつかの例外があります。語尾が「-w」「-x」「-y」で終わる場合は、子音字を重ねません。「show → showing」「fix → fixing」「play → playing」のように、そのまま「-ing」を付けます。
また、語尾にアクセントがない場合も子音字を重ねません。「visit → visiting」「develop → developing」などの多音節語では、語尾の音節にアクセントがないため、子音字を重ねずにそのまま「-ing」を付けます。
特殊な動詞のing形変化パターン
一般的なルールに当てはまらない動詞も数多く存在し、これらは不規則変化として個別に覚える必要があります。受験でもよく出題される重要なポイントなので、確実に押さえておきましょう。
不規則変化をする動詞の中には、完全に形が変わってしまうものもあれば、特殊なルールに従って変化するものもあります。これらのパターンを理解することで、効率的に暗記することができます。
lie(横たわる・嘘をつく)の変化
動詞「lie」は意味によって異なる変化をする特殊な動詞です。「横たわる」という意味の場合は「lie → lying」となり、「嘘をつく」という意味の場合も同じく「lying」となります。
この変化では、語尾の「ie」を「y」に変えてから「-ing」を付けるというルールが適用されます。同様の変化をする動詞には「die → dying」「tie → tying」などがあります。これらの動詞は語尾が「-ie」で終わるため、特別な変化パターンとして覚えておく必要があります。
「lie」の場合、過去形や過去分詞でも不規則な変化をするため、ing形と合わせて整理して覚えることをお勧めします。「横たわる」の場合は「lie - lay - lain - lying」、「嘘をつく」の場合は「lie - lied - lied - lying」となります。
受験では文脈からどちらの意味かを判断する問題も出題されるため、両方の意味でのing形が「lying」になることを確実に覚えておきましょう。
travel, cancel, modelなどの語尾がlで終わる動詞
語尾がlで終わる動詞の変化は、アメリカ英語とイギリス英語で異なる場合があります。特に受験英語では、この違いについても理解しておく必要があります。
アメリカ英語では「travel → traveling」「cancel → canceling」「model → modeling」のように、lを重ねずにそのまま「-ing」を付けます。一方、イギリス英語では「travel → travelling」「cancel → cancelling」「model → modelling」のように、lを重ねる場合が多くあります。
日本の学校教育では主にアメリカ英語が教えられているため、基本的にはlを重ねないパターンで覚えておけば問題ありません。ただし、入試問題では両方のパターンが正解として認められることも多いため、どちらの形も見慣れておくことが大切です。
これらの動詞は日常的によく使われるため、確実に覚えておく必要があります。特に「travel」は旅行に関する英作文でよく使われるため、正しいスペリングで書けるようになっておきましょう。
短縮形と混同しやすい動詞
一部の動詞では、ing形と他の文法事項との混同が起こりやすくなっています。特に注意が必要なのは、短縮形や類似したスペリングの単語との区別です。
「it's」(it is / it hasの短縮形)と「its」(所有格)の違いのように、ing形でも類似した形で混同しやすいものがあります。例えば「writing」(書くこと)と「written」(書かれた)の違いや、「running」(走ること)と「run」(走る)の使い分けなどです。
また、「sing → singing」のように、語尾の音が変わることで発音も変化する動詞があります。これらの動詞では、ing形になったときの正しい発音も合わせて覚えておくことで、リスニング問題での正答率も向上します。
受験英語では、こうした紛らわしい形の動詞が意図的に出題されることも多いため、普段から注意深く学習する習慣をつけることが重要です。
ing形の用法と文法的役割
ing形は現在分詞と動名詞という2つの主要な用法があり、それぞれ異なる文法的役割を果たします。この違いを理解することは、正確な英文読解や英作文において極めて重要です。
現在分詞は主に形容詞的な働きをし、動名詞は名詞的な働きをします。同じing形でありながら、文中での役割が大きく異なるため、文脈から判断する力が求められます。
現在分詞としてのing形
現在分詞は形容詞として名詞を修飾したり、進行形を作ったりする働きがあります。「running water」(流れる水)や「sleeping child」(眠っている子供)のように、名詞の前に置いて修飾する場合が代表的です。
進行形では「be動詞 + ing形」の形で「〜している」という継続的な動作を表します。「I am studying English.」(私は英語を勉強している)のように、現在進行形として非常によく使われるパターンです。過去進行形「was/were + ing形」や未来進行形「will be + ing形」でも同様に使用されます。
また、現在分詞は分詞構文として独立した句を作ることもできます。「Walking in the park, I met my friend.」(公園を歩いていて、友達に会った)のように、時間や理由、条件などを表す副詞句として機能します。この用法は高校英語の重要項目の一つです。
現在分詞が形容詞として働く場合、「能動的」な意味を持つことが特徴です。「interesting book」(興味深い本)では、その本が読者に興味を「与える」という能動的な関係を表しています。
動名詞としてのing形
動名詞は動詞をing形にすることで名詞の働きをさせたもので、文の主語、目的語、補語として使用できます。「Swimming is good exercise.」(水泳は良い運動です)では、「Swimming」が主語として機能しています。
動名詞は他の名詞と同様に、冠詞や形容詞による修飾を受けることができます。「the rapid running」(素早い走り)や「his careful writing」(彼の丁寧な書字)のように、より具体的な表現を作ることが可能です。
特定の動詞の後には動名詞のみが続くというルールがあります。「enjoy」「finish」「mind」「avoid」「suggest」「consider」などの動詞がその代表例です。「I enjoy playing tennis.」(私はテニスをするのを楽しんでいる)のように、これらの動詞の後は必ず動名詞を使用します。
動名詞は前置詞の後にも置くことができます。「I'm interested in learning Japanese.」(私は日本語を学ぶことに興味がある)や「Thank you for helping me.」(手伝ってくれてありがとう)のように、前置詞 + 動名詞の組み合わせは英語でよく使われるパターンです。
現在分詞と動名詞の見分け方
同じing形でも、現在分詞と動名詞では文法的な働きが異なるため、正確に見分けることが重要です。文中での位置と修飾関係を確認することで、多くの場合判別することができます。
現在分詞の場合、名詞の前後に置かれて修飾する関係にあります。「a sleeping baby」では「sleeping」が「baby」を修飾しており、赤ちゃんが眠っているという状態を表しています。一方、動名詞の場合は名詞として独立して機能します。
「I like swimming.」という文では、「swimming」は動詞「like」の目的語として機能しているため動名詞です。これを「I like the swimming.」のように冠詞を付けることで、より名詞的な性質が明確になります。
また、意味的な違いも重要な判別ポイントです。現在分詞は「動作や状態」に焦点を当て、動名詞は「行為そのもの」に焦点を当てます。この微妙な違いを理解することで、より正確な英語理解が可能になります。
受験頻出のing形問題パターン
大学入試におけるing形の問題は、基本的な変化ルールから応用的な用法まで幅広く出題されます。頻出パターンを把握し、効率的な対策を立てることが合格への近道となります。
入試問題では単純な変化ルールだけでなく、文脈に応じた適切な用法の選択や、他の文法事項との複合的な理解が求められることが多くなっています。
動詞の変化形を問う問題
最も基本的な出題パターンは、動詞の原形をing形に変化させる問題です。空所補充や語形変化問題として頻繁に出題され、確実に得点したい分野です。
| 原形 | ing形 | 変化ルール |
|---|---|---|
| run | running | 子音字を重ねる |
| make | making | 無音のeを取る |
| study | studying | そのまま-ing |
| lie | lying | ieをyに変える |
この表は受験で特によく出題される動詞の変化パターンをまとめたものです。各パターンの代表例を覚えることで、類似した動詞の変化も推測できるようになります。
特に注意すべきは、一見同じようなスペリングでも異なるルールが適用される動詞です。「stop → stopping」(子音字を重ねる)と「shop → shopping」(そのまま)のような違いを正確に覚える必要があります。
過去の入試問題を分析すると、基本動詞の変化は確実に出題されているため、これらのパターンは完璧に覚えておくことが重要です。間違えやすい動詞については、何度も練習して定着を図りましょう。
現在分詞と動名詞の識別問題
入試では現在分詞と動名詞の区別を問う問題も頻出します。同じing形でありながら文法的役割が異なるため、文脈から正確に判断する力が試されます。
「I saw him crossing the street.」という文では、「crossing」は現在分詞として「him」の動作を表しています。一方、「Crossing the street is dangerous.」では、「Crossing」は動名詞として文の主語になっています。このような違いを正確に理解することが重要です。
選択肢問題では、ing形と他の動詞の形(不定詞、過去分詞など)の中から適切なものを選ぶ問題もよく出題されます。動詞の語法や文型の知識と合わせて判断する必要があるため、総合的な文法力が求められます。
また、「The book is interesting.」(その本は面白い)と「I am interested in the book.」(私はその本に興味がある)のように、現在分詞と過去分詞の使い分けも重要なポイントです。能動的か受動的かという観点から判断することができます。
慣用表現とing形
受験英語では、慣用表現におけるing形の使用も重要な出題ポイントです。これらの表現は丸暗記が必要な場合が多く、日頃から意識的に覚える必要があります。
代表的な慣用表現として以下のようなものがあります:
- look forward to + ing形(〜を楽しみにする)
- be used to + ing形(〜に慣れている)
- can't help + ing形(〜せずにはいられない)
- feel like + ing形(〜したい気がする)
- be worth + ing形(〜する価値がある)
これらの表現では、前置詞の後に動名詞が続くことが多く、不定詞と混同しやすい点に注意が必要です。「I'm looking forward to see you.」ではなく「I'm looking forward to seeing you.」が正しい形です。
慣用表現は暗記が中心となりますが、使用場面や例文と合わせて覚えることで、実際の問題でも応用できるようになります。特に英作文では、これらの表現を適切に使うことで表現力が大幅に向上します。
ing形をマスターするための効果的な学習法
ing形を確実に身につけるためには、段階的かつ体系的な学習が不可欠です。単純な暗記だけでなく、パターンの理解と実践的な練習を組み合わせることで、長期的な定着を図ることができます。
効果的な学習法を実践することで、受験本番でも自信を持ってing形の問題に取り組むことができるようになります。ここでは、実際に多くの受験生が成果を上げている学習方法を紹介します。
段階別学習アプローチ
ing形の学習は基礎から応用へ段階的に進めることが重要です。まず基本的な変化ルールを完璧に覚え、その後で用法や応用問題に取り組むという順序を守ることで、効率的に習得できます。
第1段階では、基本的な4つの変化パターン(そのまま、eを取る、子音字を重ねる、ieをyに変える)を徹底的に練習します。この段階では、できるだけ多くの動詞でing形を作る練習を繰り返し、パターンを体に覚えさせることが目標です。
第2段階では、現在分詞と動名詞の用法を学習します。それぞれの文法的役割を理解し、例文を通じて使い方に慣れていきます。この段階では、文中でのing形の機能を正確に判別できるようになることが重要です。
第3段階では、入試レベルの応用問題に取り組みます。複合的な文法事項との組み合わせや、長文中でのing形の理解など、実際の入試問題に近い形で練習を積みます。この段階では、時間を意識した問題演習も重要になります。
効果的な暗記テクニック
ing形の変化ルールや不規則変化は、記憶術を活用することで効率的に覚えることができます。単純な反復だけでなく、イメージや語呂合わせを使った記憶法も有効です。
語尾が「ie」で終わる動詞(lie, die, tie)の変化は、「アイ(ie)がワイ(y)に変わる」として覚えると忘れにくくなります。また、子音字を重ねる動詞は「一文字だと走れない」と関連付けて、「run → running」のように覚える方法もあります。
視覚的な記憶も効果的です。変化パターンごとに色分けした表を作成したり、よく使う動詞をカードにして持ち歩いたりすることで、隙間時間を活用した学習が可能になります。また、声に出して読むことで聴覚的な記憶も強化されます。
間違えやすい動詞については、特別にリストアップして重点的に練習することも大切です。「travel → traveling」「develop → developing」など、アクセントの位置によって変化が異なる動詞は、発音と合わせて覚えることで記憶に残りやすくなります。
実践的な練習方法
ing形の習得には、実際の英文での練習が不可欠です。文法書の例文だけでなく、長文読解や英作文の中でing形を意識的に使う練習を積むことで、実践的な力が身につきます。
長文読解では、ing形が出てきたときに必ず立ち止まって、それが現在分詞なのか動名詞なのかを確認する習慣をつけましょう。また、どの動詞から変化したものかを逆算することで、変化ルールの定着も図れます。
英作文練習では、意識的にing形を使った文を作る練習をします。日本語の文を英訳するときに、動名詞や現在分詞を使って表現できる部分がないかを考える習慣をつけることで、表現力の幅が広がります。
また、音読練習も効果的です。ing形を含む文を正しい発音で読むことで、スペリングと音の関係が理解でき、記憶の定着にも役立ちます。特に語尾の音の変化(sing → singing)については、音読を通じて自然に身につけることができます。
間違いやすいポイントの対策
受験生がよく間違えるポイントを事前に把握し、対策を講じることで、本番での失点を防ぐことができます。過去の入試問題や模擬試験のデータを参考に、頻出の間違いパターンを整理しておきましょう。
最も多い間違いは、語尾がeで終わる動詞でeを取り忘れることです。「make → makeing」や「write → writeing」のような間違いは、基本的なルールの理解不足によるものです。このような間違いを防ぐには、eで終わる動詞を見つけたら必ず「無音のeか発音するeか」を確認する習慣をつけることが重要です。
子音字を重ねるかどうかの判断も間違いやすいポイントです。「travel → traveling / travelling」のように、アメリカ英語とイギリス英語で異なる場合もあるため、学校で習った形を基準にして覚えることをお勧めします。
動名詞と不定詞の使い分けも重要です。「enjoy to do」ではなく「enjoy doing」が正しい形であることを、動詞の語法と合わせて覚える必要があります。これらの間違いを防ぐには、頻出動詞の語法を整理した一覧表を作成し、定期的に確認することが効果的です。
