

4つの政策の2番目が、環境負荷低減経営の更なる徹底ということで、YKKグループは「事業活動における環境負荷の低減を徹底して進めてまいります」、という約束をしています。
地球温暖化を防止するために、とにかくエネルギー管理の徹底を図っています。昼間の窓際照明の間引き、自動販売機の消灯、ISO14001に則った省エネ活動に社員のアイデアを取り入れるなどに取り組んでいます。
また、設備導入の際は、高効率のものを導入する、ラインを組み立てる時には削減できる工程がないか検証を行うなどの施策により、1990年比で6%のCO2を削減するという日本の目標を、大幅にクリアしています。
グループ内における、リデュース、リユース、リサイクルによるゼロエミッションについて、再資源化率を97%以上にし、それを継続的に実行していくというグループのゼロエミッション定義を、2005年から実行しています。
具体的には、社内LANを利用した掲示板を通して不用品をリサイクルする仕組みがあるほか、梱包材を何回も使用するシステムにより、梱包材の廃棄がゼロとなりました。リサイクルについては、ガラスくずや陶磁器くずなどを仕分けし、それを受け入れてもらえる業者と委託契約を結ぶことで、埋め立てゼロを達成しました。

工場総面積の半分を占める黒部事業所がある黒部市は、名水の里と呼ばれています。黒部事業所では、淡水資源の保全に非常に力を注いでいます。水を汚染することができないのはもちろん、地下水のくみ上げ過ぎによる湧水の枯渇も避ける必要があります。黒部のような環境の下で排水処理をきちんとできれば、国内だけでなく海外に展開している事業所などでも世界に通用する水質を維持できると考えています。
地下水のくみ上げ量に関しては、クーリングタワーの湧水使用や井戸を連結してインバータ化することで、1991年には1日に7万トンであった使用量が、現在ではその半分以下になっています。
工場機械の冷却水については、敷地内に貯水池を設け、使用後はもう一度池に戻すことで水の循環使用を実施しています。貯水池はコンクリート打ちなしの石積みとなっており、水が地下に浸透することで、地下水の保全を図ることにもつながります。
また、雨水を地下に戻すという考えから、グラウンドなどに透過性施工の芝生を配置する、道路や駐車場を透過性にする、屋根で集めた雨水について桝をとおして地下に浸透させる、側溝も浸透性にするなどの設計をしています。
排水の処理について、特に染色廃液などについては、通常の生物処理のほか、活性炭吸着塔を使った処理を行うことにより、BOD(生物学的酸素要求量)の国の基準値である120ppm以下、黒部市の基準である10ppm以下を下回る、1ppm以下となっています。
別のリスク管理として、工場のすべての最終排水口に感知器を設置しています。PH値や濁度計の異常値、油膜感知によりセンサーが働くと、水門が下りて、緊急貯水槽へ排水が流れ込むようになっています。緊急貯水槽では、約半日の排水を貯水することができ、その間に異常回復処理を行い、再度きれいな水を川に流すような管理をしています。
2001年からは、県立大学と協力し、水生生物調査を実施しています。先ほどのBOD値だけでなく、実際に排水している水が水生生物に影響がないか確認していますが、事業所の周辺を流れる吉田川では、渓流系の一級河川である黒部川とそん色ない結果が出ています。