

YKKは、1934年に創業者である吉田忠雄が東日本橋に「サンエス商会」を設立したことにはじまります。現在ではYKKとYKK APの2社を含めたYKKグループとして、世界70の国と地域に119社の拠点を持ち、売上高は全体で約6600億円、従業員は4万1000人という事業規模となっています。YKKグループの連結売上高のうち、建材事業で約59%、ファスニング事業で約40%を占めています。地域別の連結売上高は、日本が約60%、海外で40%、ファスナーの売上に関しては、国内で約2割、海外で8割となっています。
YKKグループ全体の従業員数は4万1000人となります。うち、建材事業で約1万8000人、ファスニング事業で約2万人、地域別にみると、国内で44%となる1万8000人、海外で56%となる2万3000人と、海外の比率が高くなっています。
YKKグループの本社は東京の秋葉原にあり、国内各地に事業所があります。そのなかで、黒部事業所が総工場の敷地面積の約半分を占めています。YKK発祥の地である富山県黒部に工場を稼働させたのが1955年5月、創業者の吉田忠雄が黒部市の隣にある魚津出身で、その縁で工場を建てたといういきさつがあります。

YKKグループの製造品目は、ファスニング・建材・工機と大きく3つに分類されます。工機とは、ファスナーや建材を製造加工する機械を生産する事業を指し、一貫生産でファスナーや建材を生産していることが、グループの特徴といえるでしょう。
ファスナー生産量の推移をみていく上で、ポイントが二つあります。一つは、1950年以降、国内の生産量が増えている点です。これ以前、ファスナーは手作業で作っていましたが、アメリカより自動植付機を導入することで、量産・販売ができるようになりました。
もう一つは、1970年代のオイルショックの影響もあり、為替変動リスクを下げるために、また海外のファスニング事業の伸びを予測して海外進出をスタートし、海外の生産量が増えていった点となります。
YKKグループは、日本を含めて70か国に事業展開をしていますが、創業者の吉田忠雄の「土地っ子」になれという理念のもと、その土地を大切にした生産活動を行いながら、事業を展開してきました。

これまでの予想を超えるスピードで進行している地球温暖化が、深刻な問題として立ち現れている中、企業に求められるのは、サスティナブルな企業経営だと考えています。単に、商品の品質や性能、価格などで消費者が企業を選択するのではなく、それにプラスして環境配慮や安全性、社会への配慮などの企業姿勢によって、消費者や社会が支持する企業を決定するようになると考え、YKKグループでは1994年に社長自ら環境宣言をし、これに基づいて環境経営方針を決定し、現在では4つの中長期的な政策を掲げています。